生活保護を受給中の人の中には、チャットレディなどの仕事を通じて、収入を得たいと考えている人も多いでしょう。
その一方で「受給中に仕事をしても大丈夫なの?」という疑問を抱えている人も少なからずいるはずです。
そこで今回の記事では、生活保護受給中にチャットレディとして働く行為が制度上問題ないのかという点と、働く際に押さえておきたい注意点、必要なことなどについて解説していきます。
生活保護費は減るがチャットレディとして働ける
生活保護を受給している人が働いた場合、なんらかの制度上の問題が発生するのでしょうか。
結論から言うと、生活保護を受給中でもあっても、労働自体には特に問題ありません。
むしろ、厚生労働省では労働行為を奨励している傾向にあり、就労意欲のある人に対しては、福祉事務所に勤務するケースワーカーなどがアドバイスや指導を行うよう促しています。
そのため、生活保護受給中だからと言って、誰かに気兼ねして遠慮することはありません。
ただし、生活保護受給者が働くに際して注意しておくべき点がいくつかあります。
ここから先は、生活保護受給中にチャットレディとして働く場合に、注意しておきたいポイントを紹介していきましょう。
生活保護受給中にチャットレディをする注意点
生活保護受給中にチャットレディをするときに注意しておきたいことには、収入面に関することや、福祉事務所への申告に関することなど色々なものがあります。
どれもしっかり押さえておきたいポイントばかりですので、ぜひ参考にしてください。
生活保護を受けながら稼げる額の計算方法
では生活保護を受けながら稼ぐ場合、いくらまで可能なのでしょうか?
簡単に説明すると、最低生活費以下であれば稼ぐことが可能です。
しかしこの場合、支給されるのは最低生活費ー(収入月額ー基礎控除額)となります。
収入月額 | 基礎控除額 |
---|---|
〜15,000円 | 全額 |
15,001円〜15,199円 | 全額 |
15,200円〜18,999円 | 15,200円 |
2万円 | 16,400円 |
3万円 | 17,600円 |
4万円 | 18,400円 |
5万円 | 19,600円 |
6万円 | 20,400円 |
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つまり最低生活費が15万円と判断されていて5万円稼いだ場合は、基礎控除額が1万9,600円のため
15万円ー(5万円ー1万9,600円)で11万9,600円の支給になります。
このとき、控除額は収入や世帯人数によって変化しますので注意してください。
当然ですが、稼いだ分に比例して生活保護費というのは少なくなっていきます。
上乗せされ続けるわけではありませんので、生活保護受給中の方はしっかり確認しながら稼ぎましょう!
まり 最低生活費分=生活扶助+住宅扶助 生活扶助・・・住んでいる地域や年齢、世帯人数によって決定 住宅扶助・・・家賃。住んでいる地域や世帯人数によって決定 最低生活費については、近くの福祉事務所に問い合わせてみてください!
銀行振込の場合隠すことは難しい
銀行振込でチャットレディの給料が支給される場合、はたして収入を福祉事務所などに隠せるのかという点も、読者の方々の関心ごとかも知れません。
こちらの件に関してですが、銀行口座の情報は簡単に抑えられてしまいますので、無理に隠そうとしないのが無難です。
福祉事務所が個人情報を他の機関に安易に譲渡、公開することは考えにくいのですが、税務署の業務が関わってくると話は変わってきます。
福祉事務所といえども、税務署から不審なお金の動きがあると指摘されれば、すぐに開示してしまうでしょう。
「それならば、手渡して給料を貰えば周りにバレないはず」と思っている人もいるかも知れませんが、こちらの方法であってもリスクは免れません。
なぜなら、チャットレディの運営が、脱税を始めとするなんらかの犯罪の取り締まりにあった場合、あなたの銀行口座にも捜査のメスが入る可能性が考えられるからです。
なにより、バレるバレないの問題以前に生活保護の不正受給は悪質なルール違反のため、絶対にしてはいけません。
自分の身を守るためにも、加えてモラルに反しないためにも、制度から逸脱した行為はしないよう心がけましょう。
最低生活費を上回ると受給がストップする
生活保護の受給額は、最低生活費との兼ね合いで決定すると言うことは先ほどお話ししたとおりです。
そこで注意してもらいたいのが、収入が最低生活費を上回ると、生活保護が受給できなくなってしまうということです。
収入が増えること自体は喜ばしいことなのですが、たくさんお金を稼ぎ過ぎると生活保護の受給額にも影響が出ます。
ご自身の生活スタイルに合わせて収入バランスを上手にとりましょう。
生活保護受給中にチャットレディを始めるときに必要なこと
生活保護受給中にチャットレディを始める際に必要になることは以下です。
以下で生活保護受給者がチャットレディをするにあたって守っておくべきことなどを解説していきます。
福祉事務所に申告する
アルバイト感覚で手軽に始められると人気のチャットレディ。
しかし、そんなチャットレディもれっきとした仕事である以上、収入とともに社会的責任が発生します。
働いている事実や収入に関しては、福祉事務所にしっかり申告することが必要です。
給料を申告すると、月々の収入に影響が出てしまうことから「もったいない気がする」などとためらいの気持ちが生まれてしまうかも知れませんが、福祉制度の恩恵を受けている以上、必ずルールを守らなければなりません。
不正受給などの汚名を着せられないためにも、福祉事務所に収入の申告をしっかりしておきましょう。
手渡しでも申告しなければならない
上でも少し触れましたが、給料が手渡しで支給された場合でも、きちんと申告しておかなければなりません。
チャットレディの運営が不正を働いた際、自分にも捜査の手が及ぶといった可能性があることを例示したばかりですが、その他にもマイナンバーを銀行口座と紐づけている場合もすぐに税務署に知られてしまいます。
また、昨今では有名人などが生活保護の不正受給問題を起こしていることからも、保護費にまつわる不正には、問題の発覚以前よりも厳しく対応されると考えてもよいでしょう。
加えて、あなたの周りにいる人間からの告発、さらには年金事務所のスタッフの匿名告発も可能性としてはゼロではありません。
いずれにせよ、本人はバレないだろうと思って生活をしていても、不正を働いていればどんなところから足がついてしまうのか分からないのです。
お金を得る方法にかかわらず、なんらかの収入があった場合は、すみやかに福祉事務所に申告しましょう。
無申告だと不正受給になる
たとえチャットレディ報酬の支払いが手渡しだったとしても、無申告は絶対にいけません!
少ない金額でも手渡しでも、申告をしないまま生活保護を受け続けると逮捕・罰金の恐れがあります。
勿体無いとおもう気持ちもわかりますが、捕まってしまっては元も子もありません。
受け取った報酬は必ず申告をし、不正受給をしないよう気をつけましょう。
不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。ただし、刑法(明治四十年法律第四十五号)に正条があるときは、刑法による。
引用:生活保護法第八十五条
生活保護受給中のチャットレディは注意して行おう
生活保護の受給中であっても、働くこと自体は禁止されていません。
そのためチャットレディに関しても、本人の意思で自由に仕事をすることができますが、収入を得た場合は生活保護費が減額支給されてしまうことも、きちんと押さえておきましょう。
生活保護費は、最低生活費から本人の収入を差し引いた金額が支給されるため、制度上仕方がないと言えます。
「収入を得ていることが周囲に知られなければ、生活保護費と給料の両取りもできるはず」と感じる人もいるかも知れませんが、税務署にかかれば簡単に銀行口座を始めとする各種情報が開示され、取り締まり対象になってしまうため注意が必要です。
不正が白日の下に晒されてしまっては、最悪の場合、生活保護の受給停止にも追い込まれるでしょう。
そうなれば、あなたの今後の生活にも大変な悪影響が出ることは、想像に難くありません。
生活保護中にチャットレディをする場合は、制度のルールをしっかり守りながら仕事に取り組んでください。